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催眠術とは何か

催眠術は科学。オカルトでも魔法でもなく、脳の機能を利用した技術です。

こんにちは。

所長の川端康稔です。

今日は「催眠術とは何か」ということについてお話ししたいと思います。

まずは催眠術で一番大事なことをご説明します。

それは「脳の機能」について。

催眠術を知るにはある程度脳の機能を知る必要があります。

そして、催眠術にかかるという現象を知るには、人が自分の脳をどれくらい管理できているか、を知ることがポイントになります。

普段の生活の中で、目は光や色や形を認識しているし、耳は音を聞いているし、鼻は香りや匂いを感じているし、口は味を感じているし、肌は触れた感覚を感じています。

しかし、これらは自分の脳が感じている全てではありません。むしろ「意識」というごく一部が認識しているだけです。

この感じる能力、脳を100とすると、実は3%くらいです。

つまり自分が意識して理解できる部分はたった3%しかないんです。

 

さて、残りの97%はその間何をやっているのでしょう。

この刺激を受けとったら、過去の記憶に照らし合わせて意味づけを行ったり、起立筋を調整して背骨を支えたり、脈拍を早めたり緩めたり、内臓を動かしたり、次の動作を適切に行うために筋肉の準備をしたり…と書き切れないほど膨大な量の情報処理をしています。これらをいちいち意識的に考えていたら人は何もできなくなってしまいます。

五感からの刺激を受けるだけで生きていられると思ったら大間違いです。

それを受け取り処理する能力があるからこそ人は生きています。

この97%の能力のことを「無意識」といいます。

無意識の中では、「クセ」や「記憶」というものが多くの領域を占めています。

①「クセ」

まず「クセ」について説明します。

赤ちゃんがおっぱいを吸うとき、意識的に学習した行動ではなく、飲みたいという純粋な命の「クセ」で行っています。そして私たちは生まれてから今まで、起きてから寝るまで、実はほとんどクセで動いています。

例えば自分の家や部屋では人は自由に振る舞います。言いたいことを言い、排泄や生理現象もクセに任せて行います。いちいち考えずに無意識の指示通りに動きます。しかしひとたび他人が入ってくると、いつもと同じようには振る舞えなくなります。特に緊張する相手がいたりすると、椅子から立っていいか座っていいかわからなくなったり。これは無意識が他人にとらわれて自由に動けなくなってしまうからです。いつもなら「立とう」と意識に上がる前にスッと立てるのに、意識で「立っていいのかな」と判断しなければ立てなくなってしまいます。怒られているときは「立つな」と言われなくとも、立つという考えすらなくなります。

つまり意識がいくら勇気を振り絞って「立とう」と考えても、心の土台である無意識が「立とう」とか「立ちたい」と思わない限り、椅子から立つことは不可能なわけです。

人生のあらゆる場面で、どのような選択や行動をして生活や命を守ってきたか、そしてどれくらい積み重ねてきたか、これがクセです。そして動物の中で人間のみが、このクセが果たして正しいのか、と考え、是正することができます。

催眠術はその「クセ」を利用します。

②「記憶」

それともう一つ「記憶」について。

すごく極端なことを言うと、私たちは生まれてから今まで、見たもの、聞いたこと、全てを覚えています。

記憶には3通りあって、インプット(記銘)、リテンション(保持)、アウトプット(想起)によって成り立ちます。きっと多分皆さんが思っている記憶っていうのは「昨日の晩ご飯なんだっけ」って思い出す「想起」の記憶でしょう。

インプットの際、過去の記憶と照らし合わせて「重要だ」と認識されたものだけが意識の記憶に残ります。あとの重要で無いものは無意識の方へ仕舞い込まれていきます。通常、無意識の方の記憶は、あるけど引き出せません。しかし暗示で連想された場合など、何かのきっかけで無意識が「この記憶は重要」と認識するとそれが表に出てきます。

今あなたは3%の意識が優位に働いているでしょう。

催眠暗示によって97%の無意識を表に出すことが可能だとします。私があなたの無意識に「椅子から立てなくなりますよ」って言ったとしたら、3%の方は「え?何言ってんの?普通に立てますよ」って思うんです。だけど97%の方が私の言葉に同意して「いやいや催眠術にかかった方が面白くない?」と思い、椅子から立てないほど重いと感じる筋肉の記憶を引っ張り出したら、3と97が綱引きを始めます。どっちが勝つでしょうか?

催眠術は体感覚を含めたその「記憶」にアプローチします。

テレビとかでみる催眠術だとイヤなことをやらせているように見えるんですけど、実はその人の無意識にお願いして、無意識が同意しているだけなんです。

本人の無意識が、それが「ギャラのため」とか、「観客・視聴者のため」に得だと判断したり、はたまた純粋に「かかりたい」と思っているからこそかかかります。そうでなければ絶対にかかりません。無意識が危険だとかイヤだと思うことは、いくら術士が頑張って暗示をかけても絶対にかかりません。

本人が「自分の身体が自由に扱えなくなるわけがない」とか「かかってたまるか」と思っていたらもちろんかかりませんし、「怖いなぁ」とか「イヤだなぁ」って思っていたら絶対にかかることはありません。

そういう意味ではノリがいい人はかかりやすいです。

催眠術は科学なので、誰がやってもできます。

かかりやすい人は動画を見ているだけでもかかりますので、テレビなどでは現象のみで、大事な「かけている部分」はカットされます。だから多くの皆さんがこのことをご存じないと思います。

無意識のクセを利用し、記憶を引き出す同意を得る、これが催眠術です。

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